Willは本当に未来を伝えているのか?【英語の未来についてWillに真意を問う】

hands, eyes, bullet 基礎英語

「英語には未来がない」と言ってしまうと、大きな誤解が生じてしまいそうですが、僕が言いたいのは「英語には未来形が存在しない」という衝撃の事実であります。あれだけ「現在形」「過去形」と言いながら、「なぜ、英語には未来形が存在しないのか?」というのは長年の謎でありました。

僭越ながら、「現在形」という名称について苦言を呈しておきたいと存じます。授業を行う際、僕は決して「現在形」という名称を自ら口にしません。生徒さんから「現在形」という言葉を聞いた際は「そのような言葉は存在しないものとして記憶から消し去ってしまう方が望ましい」と助言しております。例えば、既存の参考書では「be-動詞の現在形は3種類(am/is/are )です。」と判で押したように解説されておりますが「現在形」などという名称で呼ばれれば、誰しもその時制は「現在である」と勘違いしてしまうのは致し方ないことです。例えば、その現在形と称するisを使って「He is methodical.(彼は几帳面です)」という英文を作った場合、果たしてその時制は「現在」でしょうか?「名は体を表す」といった言葉があるように、英文法にまつわる名称はその役割を強く印象付けてしまうものです。名付ける際にはもう少し配慮が必要であったと感じております。

冒頭で、「英語には未来形が存在しない」という衝撃の事実をお伝えしました。これは英語の欠陥と言えなくもありません。英語はこの欠陥を補うために過去形のような語形の変化ではない方法で未来を伝えなければならないという宿命を背負った言語であります。一方で未来形が存在しないことによって、遠い未来、近い未来、極々近い未来、計画された未来、計画性のない未来などの様々な未来を様々な英語表現を駆使して伝えるといった展開となり、高校英語になると未来を伝える表現が多岐にわたってしまうのはこれが理由となります。

ところで、中学英語ではwillという言葉が未来を伝える代表のように扱われていますが、実はwill自体は未来時制ではありません。wouldというwill過去形は存在しているのですが、冒頭で述べたように英語には未来形が存在していません。よって「willは未来形ではない」つまり「willは未来時制ではない」ということになります。

今回は「なぜ、未来時制ではないwillが未来を伝えることになるのか?」という一見すると問いになってないような問いに対して、その真意を解き明かして行きたいと思います。

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